部分矯正

●気になる部分だけ治せる
例えば、前歯の間を詰めたい、下の歯が乱れている部分だけを整えたいなど、全体矯正が必要ない場合でも、部分矯正で簡単に歯のお悩みを解消できます。

●短期間での治療が可能
部分矯正は、全体矯正と比べて歯を動かす範囲が少ないため、治療が短期間で完了します。
通常、全体矯正には1〜3年かかりますが、部分矯正は2か月から1年程度です。
時間が限られている方でも、気軽に治療を始めることができます。

●痛みが少ない
矯正治療では歯を移動させる際に痛みを伴うことがありますが、部分矯正では歯の動きが限られているため、痛みが少ないという特徴があります。
ただし、個人差がありますのでご留意ください。

●費用を抑えることができる
部分矯正は全体矯正に比べて費用が抑えられるのが大きなメリットです。
全体矯正の費用は一般的に60万円から170万円程度ですが、部分矯正の場合は10万円から70万円程度です。
ただし、自由診療となるため、歯科医院によって費用が異なります。
事前に確認することをお勧めします。

●適応症例が限られている
部分矯正ができるのは、軽度の歯の乱れであり、適応症例が制限されています。
具体的には、軽度の出っ歯や前歯のガタガタした歯並びなど、一部の症例に適用されます。
顎の骨の大きさ・位置などに問題があって歯並びが乱れている場合やガタつきの度合いが重度の場合は、部分矯正の対象外になる場合があります。

●咬み合わせの改善は見込めない
部分矯正は、通常、前歯から3本目の犬歯までを動かすことが多く、奥歯を動かし咬み合わせを改善することは難しいです。
咬み合わせの改善が必要なのに、無理に部分矯正を行うと、食べ物を咬むことが難しくなったり、口の機能や身体に悪影響が生じる可能性があります。

●出っ歯になることがある
出っ歯を矯正する際、前に出た歯を後ろに引っ張って移動させることがあります。
この場合、奥歯を後ろに動かすのが難しいため、部分矯正では前歯に合わせて歯を整えることになります。
その結果、出っ歯が完全に改善されない可能性があるほか、以前後ろに位置していた歯が前に出ることも考えられます。

●歯を削ることがある
歯列に十分なスペースがないと、歯がうまく収まらずガタガタした歯並びや出っ歯になることがあります。

マウスピース矯正は、透明なマウスピースを使って歯を移動させる矯正方法です。
新しいマウスピースに交換しながら、歯を徐々に動かしていきます。
この矯正方法はアメリカで生まれましたが、近年では日本でも一般的になっています。
多くの歯科クリニックで、マウスピースを使用した部分矯正が行われています。

●マウスピース矯正のメリット
マウスピースは透明なので目立ちにくいです。
マウスピースは取り外しが可能なため衛生的です。
金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。

●マウスピース矯正の欠点
部分矯正であっても、歯全体にマウスピースを被せる必要があります。
矯正期間中は、毎日20時間以上マウスピースをつける必要があります。
マウスピース矯正のブランドによって、適用範囲や適応症例が異なる場合があります。

ワイヤー矯正は、歯の位置を調整するためにマルチブラケットとワイヤーを使用する治療法です。
一般的に、矯正治療と聞くとワイヤー矯正を思い浮かべる方も多いでしょう。
部分矯正では、通常、前歯の4〜6本に装置を取り付けて歯を移動させることが一般的ですが、歯列の状態によってその治療方法は異なります。

●ワイヤー矯正のメリット
部分矯正は一部の歯に装置を取り付けるため、全体矯正よりも歯のお手入れが簡単です。
装置を取り外す必要がなく、自己管理が不要でマウスピース矯正と比較して、より細かい調整が可能です。
他の矯正方法に比べて費用が抑えられることがあります。

●ワイヤー矯正のデメリット
表側矯正の場合、装置が目立つことがあります。
ワイヤー矯正は矯正装置を装着した状態で長期間、歯をゆっくりと動かすため、ある程度の忍耐力と継続的な通院が必要です。
ブラケットやワイヤーが歯に圧力をかけるため、矯正直後や調整時には不快感や痛みを感じることがあります。
ブラケットが頬や舌を刺激して擦れたり傷つけたりすることがあるため、口内状況の変化には気を遣う必要があります。
常に矯正装置を付けているためブラッシングやフロッシングが難しくなり、プラークの蓄積が増えるリスクがあります。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があるため、より丁寧な口腔ケアが求められます。