叢生
デコボコ歯並び、
気になりませんか?
「デコボコ」した歯並びは、日本人に最も一般的な不正咬合の一種で、「叢生(そうせい)」といわれています。
叢生は口元の印象に大きな影響を与えるだけでなく、歯周病や虫歯のリスクも高まるため、歯列矯正をされる方も多いです。
このページでは、叢生の原因や予防法・治療法についても詳しく説明しています。
目次
こんなお悩みありませんか?
歯並びがデコボコしている
咬み合わせが合わない
よく口内炎ができる
デコボコした歯並びが気になる
虫歯や歯周病になりやすい
デコボコしているため歯磨きがしづらい
叢生(デコボコ・乱杭歯)とは
「叢生」と呼ばれる歯の並び方は、歯がアーチ状に整列せず、むしろデコボコとして重なり合って生えているという特徴があります。
この状態は「乱杭歯(らんぐいば)」とも呼ばれます。
全ての歯が美しいアーチ状に整列するのが理想ですが、叢生の場合、歯の不規則な並びになります。
人の印象に影響を与えるため、口元を隠したり大きく笑うことを避ける人もいます。
また、歯が重なって生えているため、歯ブラシの毛先が届きにくい死角があり、汚れが溜まりやすくなります。
そのため、虫歯や歯周病などになりやすいです。
八重歯も叢生の一種であり、乳歯の段階で歯と歯の間に十分なスペースがない場合、将来的に叢生の可能性があるため、注意が必要です。
叢生(デコボコ・乱杭歯)の原因
●歯の大きさや配置
成人の永久歯は通常28本です(親知らずを除く)。
アーチ状に並ぶことが望ましいですが、顎のサイズによっては全ての歯が適切なスペースに収まらないことがあります。
特に小顔の方は顎も小さい傾向があるため、叢生の方が多いです。
●歯の大きさと配置
顎のサイズに比べて歯が大きい場合、綺麗に生えることが難しく、歯が重なって生えるケースが多いです。
特に前歯のサイズが他の歯よりも大きい場合、隣の歯が後方に押しやられ、出っ歯のような印象を与えることがあります。
●過剰歯
永久歯は、親知らずを除くと通常28本ですが、時に過剰歯と呼ばれる余分な歯が生じることがあります。
過剰歯はさまざまなタイプがあり、逆性過剰歯(ぎゃくせいかじょうし)や正中過剰歯(せいちゅうかじょうし)、水平埋伏歯(すいへいまいふくし)などがあります。
・逆性過剰歯(ぎゃくせいかじょうし):正常とは逆向きに生える過剰歯
・正中過剰歯(せいちゅうかじょうし):前歯の間や裏側から生える過剰歯
・水平埋伏歯(すいへいまいふくし):歯肉や顎の骨(歯槽骨)の中で横向きとなった状態で埋まっている過剰歯
これらの歯が他の歯の配置に干渉し、歯並びを乱すことがあります。
●口内の習慣
舌癖や指しゃぶりなどの口内の習慣が叢生を引き起こすことがあります。
舌の力や口唇を咬んだり、吸ったりする癖(咬合癖)、爪を噛む癖などが歯の位置を変え、歯並びに影響を与えることがあります。
●歯の生え変わり
乳歯が抜けるタイミングによって永久歯の生え方に影響を与えることがあります。
これから生えてくる永久歯の準備が整わない段階で乳歯が一足早く抜けると、そのスペースに隣の歯が移動してくるため、後から生えてくる永久歯が生えるスペースを失ってしまいます。
その結果、デコボコとした歯並びの原因となることもあります。
叢生(デコボコ・乱杭歯)が
もたらす影響
●虫歯や歯周病リスクが高まる
叢生になると、すべての歯が適切なスペースに収まりにくくなります。
これにより、歯の間のお手入れが難しくなり、磨き残しが起こることが多いです。
その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
進行すると歯を失う可能性があるため、放置しないようにしましょう。
●咀嚼に問題が生じる
叢生によって歯が不規則に配置されると、上下の歯が適切に咬み合わないことが多いです。
この状態が続くと、食べ物を十分に咀嚼することが難しく、消化器官に負担がかかる可能性があります。
食事を十分に楽しむことは、健康的な生活を送る上で非常に重要です。
叢生による咀嚼の問題を予防するためには、歯列矯正を検討しましょう。
●顎関節症のリスクが増加
叢生によって上下の歯が咬みあっていないと、顎関節に負担がかかり、顎関節症の症状があらわれる可能性があります。
顎関節症になると、顎がカクカクしたり、口を開け閉めすると痛みを感じたりする症状を引き起こします。
●一部の歯に過度な負担がかかる
叢生によって歯の配置が不規則になることで、一部の歯に過度な負担がかかる可能性があります。
これにより、歯に痛みを感じたり、歯周病が進行したりする可能性があります。
歯を失うリスクも考えられるため、叢生による歯の不規則な配置に注意する必要があります。
叢生の予防法
●習癖の改善
舌癖(ぜつへき)は歯の配置を変える可能性がありますので、舌癖の改善トレーニングを行うことがおすすめです。
舌癖の改善には、専門家の指導が必要な場合もありますので、ぜひご相談ください。
●歯周病の予防
歯周病も歯の配置の問題に関連している場合があります。
日々の歯磨きや定期的な歯科クリーニングは、歯周病予防に効果的です。
●親知らずの抜歯
親知らずが斜めに生えてくると、周囲の歯に圧迫を与える可能性があります。
成人になってから歯の配置に変化があった場合、親知らずが原因である可能性も考えられます。
親知らずに関するご相談があれば、お気軽にご連絡ください。
●歯科医院での相談
歯の大きさや永久歯の生え変わりのタイミングなど、さまざまな要因で叢生を引き起こす可能性があります。
気になる歯がある、なかなか生えてこない永久歯がある場合にはご相談ください。
叢生に対する治療法
学園前いのうえ矯正歯科では、叢生に対するさまざまな治療法を提供し、患者様の口腔環境を改善するお手伝いをしています。
マウスピース矯正(インビザライン)
インビザラインは、透明なプラスチック製のマウスピースを使用して歯を動かす矯正方法です。
患者様は数週間ごとに新しいマウスピースに切り替えることで、徐々に歯の位置を調整します。
<メリット>
・外見上の影響が少なく、目立ちにくい
・食事や歯磨きの際に外すことができる
・少ない通院回数で治療できる
・金属アレルギーの人でも治療できる
<デメリット>
・一日に20時間の装着が必要
・適応できない症例がある
・自己管理が必要
食事後にすぐに装置をはめると、歯の表面が唾液に触れている時間が短くなり、再石灰化作用や殺菌作用が十分に発揮されません。
そのため、食後は歯を磨いてから装置を装着するようにしましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、金属やセラミックのブラケット(歯の表面に取り付ける小さな装置)を歯に貼り付け、それらをワイヤーでつなぐ矯正方法です。
ブラケットとワイヤーが歯の位置を調整し、徐々に理想的な歯並びを実現します。
<メリット>
・矯正装置の取り外し不要で、自己管理の負担が少ない
・細かい調整がしやすい
・効率的に歯を動かせる
・適応症例が広く、軽度から重度まで対応できる
<デメリット>
・金属ブラケットが目立つ
・食事や歯みがきがしづらい
・金属のブラケットを使用するため、金属アレルギーの方には不向き
・食べ物が装置のすき間に詰まりやすい
ワイヤー矯正とマウスピース矯正(インビザライン)は、それぞれの患者様の状況に応じて選択します。
歯科医との相談を通じて、最適な治療法を見つけることが重要です。
よくある質問
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抜歯は絶対に必要なのでしょうか?全ての場合で抜歯が必要というわけではありませんが、歯並びを整えるためには時に抜歯が必要になることもあります。
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治療は何歳から始められますか?叢生は永久歯が生え変わる時期や顎の成長段階によって引き起こされることがあります。
気になる点があれば、6歳を過ぎた頃にぜひ一度ご相談ください。 -
歯並びが悪いと歯周病や虫歯になりやすくなるのでしょうか?叢生の場合、歯同士が重なり合って生えているため、歯垢がたまりやすくなります。
その結果、歯周病や虫歯にかかりやすくなります。 -
矯正治療は痛みが伴いますか?歯を動かすためには一定の力が必要であり、治療中に痛みや違和感を感じることがあります。
しかし、ほとんどの場合、症状は1週間ほどで軽減していきます。 -
永久歯列期から叢生になることはありますか?叢生に限らず、乳歯列期には問題がなかったお子様が、永久歯列期に歯並びが悪くなるケースがあります。
この時期は身体と一緒に顎も発達していきますが、その発達が不十分であったり、お口まわりの癖が影響したりすると、歯並びが乱れてしまいます。
また、生え替わりで20本の乳歯が28本の永久歯に置き換わること、永久歯が乳歯よりひと回り大きいことも関係しています。