開咬
開咬を整えて、
理想の歯並びを目指そう
上下の前歯が咬み合っていない場合、「開咬」と呼ばれる不正咬合である可能性があります。
開咬になると見た目だけでなく、咀嚼や発音がしにくいなどの機能的なトラブルが生じやすくなります。
ここでは開咬の原因や治療方法などについて、詳しくご紹介していきます。
目次
こんなお悩みありませんか?
上下前歯が咬み合わず隙間がある
前歯の隙間から空気が漏れて喋りづらい
口元がだらしなく見えてしまう
前歯で食べ物が咬み切れない
歯磨きがしにくい
食べるときに食べ物をこぼしてしまう
開咬(オープンバイト)とは
開咬とは、上下の奥歯がきちんと咬み合っているのに、上下の前歯の間にすき間がある状態を指します。
この状態は「オープンバイト」とも呼ばれ、不正咬合の一種です。
出っ歯や受け口のように歯が前に出ているのではなく、歯の高さが低いことで咬み合っていないのが特徴です。
唇は普通に閉じることができますが、前歯で咬み切ることは難しいです。
また、歯の高さに問題があるため、歯科医院によってはマウスピース矯正ではなく、歯の高さを変えやすいワイヤー矯正をすすめる可能性があります。
開咬(オープンバイト)の原因
●遺伝
遺伝が原因で開咬になる場合、骨格に問題があることが多いです。
ご両親やご親族の中に開咬の方がいる場合、遺伝の影響が大きいと考えられます。
骨格性の開咬である場合、顎の成長が著しい成長期に治療することが重要です。
永久歯が揃い、顎の成長が完了している場合には、一般的なワイヤー矯正やマウスピース矯正に加えて、外科手術が必要になることもあります。
●指しゃぶり
指しゃぶりは赤ちゃんが自分の精神を安定させるために行う行動の一つであり、無理に辞めさせることは推奨しません。
しかし、歯並びに悪影響を与える可能性がある3歳頃までには指しゃぶりを卒業できるようにしましょう。
永久歯が生えそろっても指しゃぶりを続けると、開咬を引き起こす可能性があります。
●舌癖
舌を上下の前歯の間に挟む癖があると、歯槽性(歯の生える角度などが原因)の開咬を引き起こす可能性があります。
舌癖は無意識の行動なので、すぐに改善することは難しいですが、舌のトレーニングを行うことで改善を目指せます。
また、このような癖は歯列矯正後も改善されないと、元に戻ってしまう「後戻り」のリスクがあるため、歯列矯正と同時に舌トレーニングを行うことが重要です。
●口呼吸
通常、人は鼻呼吸をしますが、口呼吸を続けると開咬になりやすいとされています。
扁桃腺肥大や慢性鼻炎などの理由で鼻呼吸が難しい場合、口呼吸をすることが多くなります。
口呼吸が続くと舌の位置が下がり、開咬を引き起こす可能性があります。
開咬(オープンバイト)を
放置するデメリット
●食べ物が咬みにくい
開咬になると食べ物をうまく咬むことができず、咀嚼障害を引き起こす可能性があります。
食べ物を十分に咀嚼せずに飲み込むと、胃腸に負担がかかり、消化不良を引き起こしやすくなります。
●発音障害
開咬では、上下の前歯が咬み合っていないため、隙間から空気が漏れ、発音に支障が生じることがあります。
特に「サ行」「タ行」などが発音しにくくなり、コミュニケーションにも影響を与えることがあります。
●虫歯や歯周病にかかりやすい
開咬では、上下の前歯が常に咬み合わないため、口内が乾燥しやすくなります。
すると、唾液の持つ自浄作用や殺菌作用などがうまく行われず、虫歯菌や歯周病菌が増殖しやすくなります。
●奥歯に過度のダメージがかかりやすい
前歯で咬むことができないため、奥歯に過度な力がかかりやすくなります。
そのため、奥歯の寿命が短くなることがあります。
●顎関節症を起こしやすい
開咬になると、顎関節に負担がかかりやすくなります。
そのため、「顎がカクカクする」「口の開閉がしにくい」「口を開けると痛い」など顎関節症を引き起こすことがあります。
開咬(オープンバイト)の予防方法
●指しゃぶりの改善
永久歯へと生え変わる成長期の指しゃぶりは開咬を引き起こす可能性があります。
時間はかかるかもしれませんが、卒業できるよう根気よく取り組んでいきましょう。
●舌癖の改善
舌トレーニングを行うことで開咬が改善するケースもあるため、まずは挑戦してみましょう。
口腔筋機能療法(MFT)という口周りの筋肉をバランスよく整えるトレーニングが効果的です。
●口呼吸の改善
口呼吸は開咬だけでなく、感染症や口の乾燥などさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
日頃から鼻呼吸や、舌の位置を上顎につけることを意識して口呼吸を改善していきましょう。
●気になることがあれば医院へ相談する
開咬の原因は、歯の配置や顎の骨格などさまざまです。
骨格的な原因の場合は、成長期から治療を開始することで負担を最小限に抑えることができます。
気になることがあれば早めに歯科医院へ相談するようにしましょう。
開咬(オープンバイト)に
対する治療法
学園前いのうえ矯正歯科では、開咬の改善に向けたさまざまな治療法を用意し、患者様の症状に合わせた最適な治療を行っています。
マウスピース矯正(インビザライン)
インビザラインでは、3D口腔内スキャナーを用いて歯型を取るため、効率的な治療が可能です。
これにより、患者様への負担が軽減されます。
マウスピース矯正の
メリット・デメリット
<マウスピース矯正のメリット>
・患者様に負担の少ない治療が可能
・ワイヤー矯正よりも目立たない
・取り外しが可能で食事もしやすい
・ワイヤー矯正に比べて違和感も少なく、通院回数も少ないため、ストレスが少ない
<マウスピース矯正の注意点>
・着用時間を守る必要がある
・マウスピースを装着したまま飲食はしない
・口腔内を清潔に保つ必要がある
・ワイヤー矯正よりも対応できる症例が限られる
・取り扱っている歯科医が限られる
・マウスピースを紛失する可能性があること
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯にブラケットと呼ばれる器具を装着し、そこにワイヤーを通すことで歯に適切な力を加え、希望する方向に徐々に移動させて歯並びを整える矯正治療法です。
昔はつけていると目立ちやすかった治療法も、今ではブラケットやワイヤーが透明や白くなって、見た目が目立ちにくくなりました。
ワイヤー矯正のメリット・デメリット
<ワイヤー矯正のメリット>
・適応範囲が広く、さまざまな歯並びの人に対応可能
・最も多くの症例があるため信頼性が高い
・微調整や細やかな動きに対応可能
・抜歯矯正や外科矯正の術前・術後の矯正などにも対応できる
<マウスピース矯正の注意点>
・装置が目立つため見た目が気になる
・食事がしにくい
・歯が磨きにくい矯正装置装着後や調整後に痛みを感じることが多いワイヤー矯正では、口の裏側に装置がつくため、最初は違和感や傷ができることもあります。
また、装置が固定されているので、矯正中は硬い食べ物を避けて、食後は歯と装置の周りを丁寧に清掃することが大切です。
よくある質問
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開咬であっても、歯列矯正が必要ですか?開咬は審美性だけでなく機能性に影響を与える可能性があります。
できるだけお子さんの頃から治療を受けることが望ましいです。 -
開咬の矯正治療で、抜歯は必要ですか?抜歯や外科手術が必要な場合もありますが、治療方法は患者様の状態によって異なります。
まずはお気軽にご相談ください。 -
外科手術が必ずしも必要なのでしょうか?必ずしもそうとは限りません。
ただし、開咬の原因が骨格である場合には、外科手術が検討されることがあります。 -
開咬の治療は難しいと聞きますが、改善する可能性はありますか?開咬の治療には専門知識が必要です。
一度ご相談いただければ、治療方法や期間などについて詳しくお伝えできます。 -
奥歯を削れば開咬は治りますか?奥歯を削っても根本的な開咬の問題解決にはつながりにくいです。
そのため、奥歯を削って高さを調節することは推奨できません。
また、奥歯を削ったことで開咬の症状が悪化する場合もあります。
開咬の治療を行う際は、専門医に相談しましょう。